選抜甲子園観戦記
弁護士 西部俊宏
                    


私の母校である東京都立小山台高校野球班(小山台では部活動を「班活動」と呼ぶ)が,春の甲子園(第86回選抜高等学校野球大会)に21世紀枠で出場しました!

 小山台は春夏通じて甲子園初出場です。また,都立高校初の選抜出場です。

 21世紀枠とは,困難な環境を克服したなどの戦績以外の要素も加味した選考枠で あり,小山台の場合は,狭いグラウンドを他の班と分割して,しかも午後5時までしか使えないなどの不利な環境でありながら,前年の秋季東京大会で堀越,早稲田実業,日大豊山といった強豪私立校を倒してベスト8に進出したことなどが評価されての選出となりました。

 小山台卒業生というだけではなく,野球班のOBでもある私の歓喜はいうまでもありません。もちろん,甲子園まで応援に行ってきました。

 甲子園と言えばツタのイメージがあったのですが,近年のリニューアル工事により一旦撤去された後,まだ十分に育っていないようでした。

 試合開始から1時間以上前から並び始めましたが,小山台側アルプススタンド入り口は大混雑です。

 小山台関係者の愛校心の強さを感じます。

 しかしそのおかげで,試合開始前には球場に入ることができず,友人とも一緒に座れずバラバラで応援することになってしまいました。

 
 小山台OBとして旅行会社を通じてアルプス席券を購入すると,小山台オリジナルウインドブレーカーとメガホンがセットになっています。我が校のカラーはなぜか蛍光イエローの大変派手なものでした。

 困ったのは,これらチケットセットは前日までに大阪市内に受け取りにいかなければならないことでした。幸い,一緒に応援に行った友人のご両親が奈良在住とのことで,友人の分と併せて取ってきていただき大変助かりました。甲子園の応援に行くのは思っていたよりも大変です。

 


1回戦の対戦相手は大阪代表の強豪履正社です。私の出身地は大阪で,いつも東京代表とともに大阪代表も応援していましたので複雑な気分ですが,今回は母校を応援します。


 強豪相手に苦戦が予想されますが,何とか耐えて投手戦に持ち込みたいところです。小山台の強みは投手力です。エースで主将の伊藤君を中心に粘り強く守れば勝機はあると思いました。伊藤君はそのような期待ができるほどの好投手です。打ち勝つことは期待しづらいですが,終盤まで2点以内に抑えられればチャンスはある,そう期待して応援します。


 ・・・しかし,甘かったです。履正社の壁は厚かったです。
 高校野球で勝つためのお手本のような野球をされ,完敗でした。
 ちなみに,履正社はその後も勝ち進み,見事準優勝しました。やはり,強豪でした。

 でも,甲子園という大舞台でこれだけ強いチームと戦えたことは得がたい経験になったと思うので,この敗戦を糧に,夏にまた甲子園に戻ってきてほしいと思います。
 
 勝敗は残念な結果となりましたが,母校を甲子園で応援するというのは,涙が出るほど感動的な,すばらしい経験でした。
 夢の甲子園出場を果たしてくれた後輩達,指導して下さった監督,先生方,それを支える父母会やOBOG会,同窓会,地元の皆様,グラウンドがない小山台のために練習試合の相手になってくれる学校の皆様,甲子園出場にあたり寄付をしてくださった方々など,小山台野球班を支えてくれた多くの方々に感謝です!


以上


               


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