あの 3.11 から半年が過ぎた頃、夫の「一度は見ておきたい」という要望で、夫婦で気仙沼を訪れました。
新幹線の郡山駅を過ぎる頃から、通り過ぎる民家の屋根にはブルーのシートが目立つようになってきて、被災地に段々と近づいて居るのが分かります。
気仙沼駅に降り立つと、震災前日と何ら変わりなさそうな町の風景。全てがテレビニュースの映像通りではなかった事に一旦はホッと安堵したのです。
ところがタクシーに案内されて暫くすると、先程の思いも束の間・・・遠くに見える海まで続く景色はテレビで何度も目にした、津波で押し流された漁船、かろうじて四階の部分だけ被害を免れた学校等・・・・・悲惨な世界が広がります。そんな中をダンプカーが砂煙を上げて、地上げされた未完成の道路をガレキの整理にかけずり回っていて、現地の様子を見に来た私達は、申し訳なく情けない思いでした。
海岸の堤防にたどり着くと、押し流されたであろう土台から外れたお墓が、ボランティアの人達の手によって海に背を向けて一列に並べられていました。
これらのご先祖様を守っていらっしゃる方々の安否はどうなのか?
手の付けようのない現状を胸の詰まる思いで、そっと手を合わせるしかなかったのです。
手向けるお花の用意も出来ず悔いが残ります。
今年に入って東北の人達を励ます意味で、少しでもエールを送ろうと、JRのポスターにあった <旅することが誰かの力になる> という言葉に背中を押され、友人を誘って浄土ヶ浜へ出かけました。
お天気にも恵まれ、遊覧船では、ポスターに載っていたガイドさんから震災当日のお話しを聞く事が出来ました。
それによると、観光客を全員下ろした後、津波情報を聞き、船長さん達は船を守る為、沖に船を出したそうです。海猫の餌のパンを食べて夜を明かし、船を守って無事に船着き場に戻ったら事務所は外枠だけを残して津波に壊されていたそうです。現地で明るく話しをされ 「来てくれて有り難う」と喜んで下さる姿に、「頑張って下さい」とエールを送る事が出来て、胸のつかえが一つとれた気がしました。
その後、秋田の竿灯祭り、青森のねぶた祭り、大曲の花火と、この夏は三度東北に足を運ぶことが出来ました。 |
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旅人である私達に見せてくれた一生懸命頑張っている姿は感動と涙なくしては楽しめませんでした。
竿灯を操る子供達や、額に汗しながらねぶた祭りの列に加わっていた、おしゃぶりをくわえた赤ちゃんをおんぶしたお父さん・・・思わず、うちわで扇いで上げて応援しました。その時のお父さんの<ありがとう>の表情が爽やかで忘れられません。
大曲の花火も76万人の人出だったとか・・・
「何が何でも頑張るぞ」 挫けない東北人魂の心の奥底を見た気がします。
励ますつもりが感動をいっぱいもらった旅でした。
ありがとう東北の皆様。 頑張って下さい。お手伝い出来る事は、まだありますか?
以上
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秋田の竿灯 |
大曲の花火 |
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