はじめまして、12月より荒井総合法律事務所に入所致しました田村祐一と申します。
気が付けば入所して早1カ月が過ぎ、まだまだ慣れないながらも日々緊張感をもって仕事に取り組んでいる毎日です。
さて、今回はHPの更新にあたり、何か記事を書いて欲しいと依頼され何を書くべきか色々と考えていましたが、今回は、私が昨年一年京都で過ごしている中で出会った日本酒バーの話を書いてみることにしました。
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私は、昨年一年間司法修習のため京都で暮らしていたのですが、初めて関西方面で暮らしてみると色々なことが東京とは違い、毎日が驚きと発見の連続でした。お酒もその違いのひとつです。
東京にいるとどのお店も焼酎を多く取り揃えていますが(もしかして私がそう思っているだけかも・・・)、京都では日本酒を多く取り揃えているお店がとても多いのです。 |
私が京都で日本酒に出会った一番最初のきっかけは、「日本酒ドロップキック」というイベントでした。
http://kyoto-nihonshu-dropkick.com/
このイベントは、あらかじめ500円で黄色のドロップキックTシャツを買うと、イベント当日に、参加している11店舗の各お店で、お店ごとに提携している酒蔵の日本酒を一杯ずつ無料で飲めるというお酒好きにはたまらないものです。一体どれくらいの人が参加するのだろうと思っていたのですが、当日はどのお店も行列ができ、店の外で立ったまま飲んでいるお客さんも続出するという盛況ぶりで、なんと約1300人もの人が参加したということでした!
この日は、黄色いTシャツを着た人々がお店に列をなしたり、ほろ酔い状態で派手な黄色のTシャツを着た大勢の大人がお店を移動するために町を徘徊しているというかなりおもしろい光景が京都の街中に広がっていました。

その参加店のお店のひとつが今回紹介したいお店、地酒 BARZen(膳)です。
http://www9.plala.or.jp/zizakebar/
このお店、まずお店自体を見つけるのに一苦労します。
お店は雑居ビルの5階にあるのですが、表には店があることを表示するような看板は一切出ていません。もちろん、ビルの横についている袖看板なんて当然ありません。唯一あるのが、エレベーターホールにある小さな看板だけですが、これも外から見えるわけではないのでかなり見つけにくいです。
しかもこのお店、ビルの5階にあるのですが、このビルの5階部分の屋根が斜めになっているため、下から見ると4階建てのビルにしか見えず、「5階建てのビルなんてどこにあるんだろう?」という状態になってしまい、探すのがより難しくなっています。
店主いわく、「上からお客さんがお店を探してさまよっているのを見るのが楽しい。」のだそうです。
このお店、ビルの外観だけ見ると、かなり古めかしく「入っても大丈夫なのかな。」と不安になってしまいそうなのですが、お店の中はとってもムードあふれる大人な雰囲気のきれいなお店です。このギャップにもやられてしまうこと間違いなしです。
床には玉石が敷き詰められ、テーブルまで木の通路が作られていて、テーブルと椅子も(おそらく)すべて檜作りで、木のにおいが店内に漂う和の雰囲気を追及したお店造りになっています。 |
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お店のマスターもとってもユニークな方で、話してくれる話題もかなり豊富です。私が法律関係の仕事だという話をすると、裁判員制度について熱弁をふるってくれました。また、かなりの食通で、おいしい食べ物とおいしいお酒の両方が味わえるお店を色々紹介してくれて、私もかなりお世話になりました。
また、休日には大人の遠足と言って、常連さん達と一泊二日でお酒をひたすら飲むというイベントを定期的に開催していたりする、ユーモアあふれるとっても素敵な店主さんです。
次に、このお店のメニューですが、実はこのお店メニューが存在していません。一升瓶が詰まった冷蔵庫が一台置いてあるだけなんです。
席に出てくるとまず出てくるのが、突き出し、お水、そしてウコンの力です。翌日までお酒が残らないようにという配慮までしてくれているんですね。
後は、座っているだけでマスターが適当に日本酒を選んで出してくれます。もちろん、こちらから「すっきりしたフルーティなお酒が飲みたい。」とか、「味のしっかりとしたお酒が飲みたい。」などと、飲みたいものをリクエストすれば、好みにあったものを選んでくれます。
それからこのお店、食べ物は突き出し以外置いていませんので注文できません。ただ、おなかが空いた人のために、5軒隣のイタリア料理のお店から出前をとることができます。基本的には、ただただ日本酒だけを楽しむお店なんですね。
メニューがないので、当然値段もいくらなんだかわかりません。行くたびに値段が違ったので、私は、友人と、「マスターが気分で値段をつけてるんだろう。」なんて話していました。ちなみに、大人数で行くと、今日は「売り上げ目標をもう達成したから1人○○円でいいよ。」と言ってかなり安く飲めます。
このお店が揃えている日本酒は、本当に見たことがないものばかりです。ラベルが表裏逆に印刷しているものもあって、これは表には流通することのない裏ものだからそういう印刷になっているそうです。
そんな珍しいお酒ばかりを揃えているこのお店ですが、お店の看板メニューとして掲げられている日本酒が、滋賀県上原酒造の不老泉(ふろうせん)というお酒です。
http://www.ex.biwa.ne.jp/~furo-sen/index.html
独特の風味、甘味がありながらも、決して後味がしつこくないとってもおいしい日本酒です。

日本酒と言うと、強くて翌日に残りそう、おじさんが飲むお酒などというイメージがあるかも知れませんが、そんなことはありません。
お酒ごとに味わいも全く違い、とっても飲みやすく、翌日にも残らないとってもおいしいお酒です。
みなさんもこれを機会に日本酒を飲み、自分のお気に入りの日本酒を見つけてみてはいかがでしょうか。
また、京都に行った際には是非このお店にも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。不思議な魅力にはまってしまうこと間違いなしだと思います。
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