ホノルルマラソン記
        M・T
事務所のホームページ立ち上げ時に指導、協力を仰いだ M・T氏が、ハワイフルマラソン(42.195km)に挑戦し、その様子を大いなる感動と共に伝えてくれました。一緒に参加した芸能人の体力に驚いたり、ランナーズ・ハイを味わったりと、興味深いエピソードがいっぱいです。
ワイキキの海岸を思い浮かべながら、あなたも共に走ってみてください。



 毎年12月の第2日曜日にハワイで開催される世界的に有名な市民マラソンといえば「ホノルルマラソン」です。2007年末,第35回目となるこのレースに挑戦することになりました。走る経験はというと皆無な私。自宅とその先のコンビニ間200mすらも走りきれない状況でしたが,職場の友人と飲んでいるうちに,日頃の運動不足解消やメタボ対策に何かしよう→それにはマラソンが良い→どうせ走るならフルマラソン→どうせ参加するなら有名な→どうせ会社を休むなら遠方で→と勢いがつき,ホノルルに決まったわけでした。

 ホノルルマラソンが人気なのはリゾート気分も一緒に満喫できるからなのですが,もう一つの理由は制限時間が無いことです。関門制限による打ち切りもなく,どんなに遅くても最後の1人まで見守ってくれるというのが特徴なのです。そのためか今や参加者は約3万人に昇り,6割は日本人という大きな大会になっています。7月頃に売り出されるツアーの予約はたった数分で埋まってしまいます。



 さて,本番の前日のホノルルです。

 レース前日のホノルル入りという強行日程でしたが、朝5時スタートなので逆に時差ボケを利用してうまく調整するはずでした。が,日本の真冬からの気温差も思った以上に堪えます。気怠いのに全く眠れず,しかもあろう事かスタート前後で強烈な雨が断続的に降る始末です。走る前から靴も服もびしょびしょで体が重く,靴擦れ防止にと工夫した靴下もほとんど意味を成しません。寝不足,時差ボケ,ついでに練習不足を加えると初マラソンとしてはかなり過酷なコンディションとなりました。豪快な花火と共にスタートしましたが,もう開き直るしかありません。ちなみに参加者が多いため,スタート後にスタート地点まで到達するのに20分かかりました。



 コースの説明です。

  ダウンタウンを抜けワイキキを過ぎ,ダイヤモンドヘッドの峠を越えて高速に入ります。その頃には完全に日も昇り,既に雨も止んでいましたが日本の梅雨のような蒸し暑さです。服は乾いてきたものの,靴の中は濡れたまま,ふやけた足の感覚が無くなってきています。慣れないマラソンで水分を取らねばと3〜5km毎にある給水所の水をかなり多く飲み過ぎてしまいました。軽食を多少補給しながらとはいえ,空腹感がどんどん増している割にお腹はダボダボ。寝不足と疲労もピークに達し,頭はフラフラで寝ながら走っていました。ちょうどハーフを過ぎた所で力尽きてしまい,そこからは走ったり歩いたりの繰り返しです。力士のようなアメリカ人のおばちゃん(失礼!ご容赦)に抜かれ,小さい10才ぐらいの小学生に颯爽と抜かれ,デコピンすれば倒れてしまいそうな弱々しいお爺さんにも凄い勢いで抜かれていきます。


 いくら進んでも先の見えなかった道程も,残り10kmを割るとゴールへの現実味が一気に増してきます。体も限界に近づいていて腰痛から腕は痺れ,足はもうどうなっているのか分かりません。止まって靴を脱いだら2度と進めないだろうということだけは確かです。周りのランナーもほとんどが同じような感じでした。ただ,顔が引きつりながらもどういうわけか楽しそうに走っている人が多いのです。本当に不思議でしたが,これこそがマラソンの魅力なのかもしれません。ゴールに近づくのも,沿道の応援を受けるのも,すばらしい景色を横目に現地の空気を吸うのも、周りのランナーとの雰囲気を感じるのも,自分の体がヘロヘロ過ぎて思うように動かないのも,確かにすべてが楽しいのです。


  そして‥‥,いよいよゴールが見えたときは大きな感動とこれまでにない達成感を覚えます。完走ならぬ「完歩」ではありますが,なんとか無事?ゴールにたどり着くことができたのです。半分過ぎまで頑張って走って3時間,そこから歩きを含んでスタートからゴールまで、ほぼ6時間。コンディションが良くない初参加の記録としてはまずまずでしょうか?でも、後でよく考えてみると,記録自体はまあ満足でも最初の走りは歩きと同じスピードだったようです。今でも微妙に納得がいきません(笑)


 終わってみての感想です。


 本格的なフルマラソンを経験して、2時間ちょっとで走ってしまう世界レベルのアスリートの神がかり的な速さを改めて実感しました。また、テレビでよく見る芸能人も参加していましたが,彼らの記録と自分の記録を比べてみて、その身体能力の高さにも脱帽です。伊達にTVには出ていないということです。外からただ見ていても何が面白いのか理解できなかったマラソンでしたが,ホノルルに行ってみて初めてその面白さが分かりました。


 流石にフルマラソンはそう何度も参加できません(笑)が,適度なランニングは非常に健康に良いのです。基礎代謝も上がるのでただ座っているだけでも痩せやすくなりますし,食事も美味しくなります。ちょっと走ってくると気分もさっぱりしますし,その後休むと意外に仕事の疲れもかえってしっかり抜けやすいのです。体育会系運動部のようなしごきの走りをする必要もなく,気分が乗らなければ距離を縮めたり,歩いてしまえばいいのです。150円のお茶代だけを持って,今まで通ったことの無い近所の道を走ってくるのもちょっとした探検気分で新鮮です。と,こんなわけですっかりマラソンにはまってしまったわけですが,次は6月,富里のスイカロードレース(10km)に出る予定です!皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか?


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