ドバイ旅行記
S ・ S


 砂漠滞在初日


 日本からエミレーツ航空で約11時間。初めて訪れるアラブ最大の都市ドバイは聞きしに勝る華やかな街だった。ドバイ市内でのショッピングや観光を楽しんだ後はもうひとつのドバイの顔,砂漠へと出発する。今回のドバイは砂漠に泊まるために来たといっても過言ではない。
何しろこのホテル「アルマハリゾート&スパ」 は自然保護区の真ん中に建てられた全室コテージにプライベートプールの付いた超高級リゾートなのである。


  出迎えの車に乗り込みついに出発。ドバイ市内の高層ビル群から離れ砂漠を走ること一時間,いい加減疲れた頃にいきなり門が現れた。屈強そうな警備員に笑顔で見送られ,またしばらく砂漠を走る。どうもすでにホテルの敷地内に入ったらしいのだが,それらしきものは影も形も見えない。15分程走ったところでやっとホテルのロビーに辿り着いた。 
 担当はデウィさんという笑顔の爽やかな女性。冷たいウェルカムドリンクを飲みながら砂漠でのアクティビティについて相談する。このホテルでは砂漠を楽しむためのいくつかのツアーが用意されている。とりあえずその日の夕方,ラクダに乗って夕日を見に行くツアーに参加することにした。



 夕方までは自由時間。コテージまでバギーで送ってもらう。部屋は想像以上に美しかった。アラブにありがちな成金風の派手さは一切なく,目の前の砂漠に溶け込む素朴だがシックな色で統一されている。大理石でできたバスルームには贅沢にもBVLGARIのアメニティ。テラスにはプライベートプールが付いており,野生のオリックスやガゼルが水を飲みにくるという。実際ホテルの敷地には沢山のオリックスが歩いており散歩の最中には間近で何度もみることができた。


 部屋でしばらく砂漠を眺めた後はランチをとりにダイニングへ。ドバイでは市内の五つ星ホテルですら料理はあまり美味でなく,正直何の期待もしていなかったが嬉しい誤算だった。少々量が多すぎることを除けばメニューが豊富でとてもおいしい。ワインもグラスで赤白三種類ほど用意されている。朝とれたばかりの野鳥のグリルと食べ放題の前菜,フルーツ,窯から出てきたばかりの温かいパンを堪能した




 砂漠滞在二日目


 朝食後はアーチェリーをしたりお茶を飲んだりしてのんびり過ごす。ロケーションが素晴らしいために何をするわけでもないのに楽しい。ランチの後は吹き抜けになっているラウンジで砂漠を眺めながらアラビアコーヒーを飲み,読書。夕方からはネイチャーウォークに行くのでそれまで部屋のプールに入ったり,シェリー酒を飲んで昼寝をする。ゆっくりと東京での疲れが溶けていくのがわかる。頑張った自分へのご褒美ということでひたすらぐうたらを決め込む。



 夕方からは砂漠の生き物を見にネイチャーウォークへ。ガイドさんが詳しく説明をしてくれる。砂漠といっても所々小さな木が生えているのだが,その葉には驚くほど多量の水分が蓄えられていて,ガゼルやオリックスはその葉の水分で生き延びているとのこと。感心しながら景色を見ていると,かわいらしいミニサイズの林檎が実った樹木を見つけた。サダムの林檎と呼ばれるその果実は実は猛毒で,ベドウィン族は薬に使っていたらしい。




 すっかり日も落ちて,砂漠からホテルに帰ってくる。夕食まえにエステを受けたいと嫁が騒ぎ立てるので,スパの建物まで行ってみる。このスパではドバイ特産のミルラ(乳香)を使ったエステが受けられるので有名らしい。何だかすごそうなので嫁ばかりいい思いをさせるのも悔しいし,ついていくことにする。しかし,当然の如く予約がいっぱいで受け付けてもらえない。がっくりする嫁を連れて部屋に帰る。途中ライトアップされた綺麗なメインプールを通り,遊びにきていた二頭のオリックスを見つけた。一頭は小さい子供。子供のオリックスを間近で見られ得した気分になった。
 今夜は砂漠で過ごす最後の夜なので部屋のテラスでキャンドルディナー。  嫁はホテル内の小さなショップで買ったネックレスをつけ,二人ともドレスアップしてディナーを満喫。プライベートプールもブルーのライトがつけてあり,いかにもハネムーンという演出がされている。行き届いたサービスにすっかり気分が良くなり,シャンパンを抜いて乾杯。砂漠の旅の成功を祝う。最後のデザートまで楽しみ,砂漠の夜は更けていった。





 砂漠最終日


 夜明け前に起きて鷹狩りに行き,朝食を食べてゆっくりBVLGARIの石鹸を使ったバブルバスにつかる。今日の便で東京に帰らなくてはならない。嫁がまだ帰りたくないと駄々をこねるが,こんな贅沢を続けていたら破産してしまうので仕方なく荷物をまとめる。
 チェックアウトをすませて後ろ髪を引かれつつドバイ市内への車に乗り込む。こうして砂漠への旅が終わった。また何年かしたら今度は家族も連れて行きたいと思う。皆様もドバイに行かれる折りには是非砂漠ツアーに参加されることをおすすめしたい。ただし真夏は脳みそが溶けてしまうほど暑い(平均気温摂氏45度)。次回は冬休みに行きたいと思う。 

ドバイ市内の有名なモスク アルマハリゾート&スパのロビー
ラクダ。咬み癖があるので、
口を縛っています。
砂漠に昇る朝日


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