ア. |
「電子署名」とは,電子データに行われる措置であって,次の2つの要件を備えたものを指します(電子署名法第2条)。 |
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(ⅰ) |
「この人がこの電子データを作成した」ということを示す目的で付けられるものであること
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(ⅱ) |
電子署名をした時点から内容が改変されていないことを確認できる方法があること
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イ. |
「電子署名」として広く用いられている方式は,概ね次のような仕組みからなります。
簡単に言えば「電子データ本文を暗号化し,その暗号をその電子データに埋め込む」方法で電子署名をします(「RSA方式の公開鍵暗号を利用したデジタル署名」と呼ばれます。)。
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① |
電子データの本文を,特定の法則に当てはめて,数値に変換します(この数値は,本文が一文字でも変わると,全く別の数値になります。)。
(例.「70万円借りました。●月●日 甲野太郎」⇒ 法則 ⇒「0f607eedf…」)
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② |
①の数値を,「秘密鍵」と呼ばれるものを利用して更に暗号化します。
(例.「0f607eedf…」⇒ 秘密鍵 ⇒「Wf#2;?l>wgK…」)
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③ |
②の暗号を電子データに埋め込むことで「電子署名」の措置が完了します。
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ウ. |
上記のように電子データに電子署名をしたとして,これを相手方とどのようにやりとりするかといいますと,概ね次のようになります(具体的な流れは後記4でご説明します)。
簡単に言うと,「電子データに埋め込まれた暗号を取り出し,暗号化前の状態に復元し,これを電子データ本文(の数値)と対照し,同じ内容であるかを確認する」作業が必要になります。
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④ |
電子署名をした電子データを相手方に送信します。その際に,「公開鍵」と呼ばれるものを同送します。
「公開鍵」は,「秘密鍵」で暗号化したものを元に戻すことができます(「公開鍵」と「秘密鍵」が一対になっているため)。
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⑤ |
相手方は,電子データに付された電子署名を“検証”します。具体的には,受領した「公開鍵」で電子署名の暗号を元に戻します(これを「復号化」といいます。)。
(例.「Wf#2;?l>wgK…」⇒ 公開鍵 ⇒「0f607eedf…」) |
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⑥ |
相手方は,受信した電子データの本文を,①と同じ法則に当てはめ,数値に変換します。
(例.「70万円借りました。●月●日 甲野太郎」⇒ 法則 ⇒「0f607eedf…」) |
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⑦ |
⑤で復号した数値が,⑥の数値と整合すれば,電子データの内容に改ざんがないことが確認できます。
(例.⑤「0f607eedf…」=⑥「0f607eedf…」)
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