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現行法では,原則として,債権は「その権利を行使することができる時」から「10年間」行使しなければ消滅するものと規定されていました。しかし,債権が消滅するのに原則10年もかかるのは長いという批判がありました。
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原則があれば例外もあります。例えば,医師の診療報酬債権は3年間,弁護士の報酬債権は2年間,居酒屋のツケは1年間で時効消滅するというように,債権の種類によって時効期間が大きく変わっていました。しかし,なぜ医師と弁護士と居酒屋で期間が異なるのかを合理的に説明することが困難でした。 |
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また,現行の商法では,「商行為によって生じた債権」は,「行使できるときから5年間」行使しないことで時効消滅します(商事消滅時効といいます)。しかし,「商行為によって生じた債権」が何なのかが曖昧ですし,商事消滅時効が適用される債権(例えば銀行の貸付債権)と適用されない債権(例えば信用金庫の貸付債権)との間における時効期間の違いを合理的に説明することが困難でした。
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